大震災・原発事故後の日本の行方と私達の課題

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九条の会東京連絡会主催の大学習会に参加して
 5月20日夕刻、九条の会東京連絡会の学習会に参加しました。プログラムは横井久美子さんの弾き語りと、渡辺治さん(一橋大学名誉教授)の講演でした。横井さんの『雨にもまけず』は、鎮魂歌であり、今を生きて戦っている人々を慈しむ響きをもち、深い感動を与えてくれました。
 講演は「大震災・原発事故後の日本の行方と私達の課題」について、次の観点から掘り起こした話でした。(1)大震災前に民主党政権下の政治はどこまで来ていたか、(2)大震災、原発事故が日本の政治や進路にいかなる影響を与えるか?復興をめぐる二つの道の対抗、(3)私達の課題は何か。
 ここでは、講演の核心である「復興の進め方をめぐる二つの道の対抗」について、感想を交えて報告します。
 復興のあり方について、渡辺さんは「大震災の復旧・復興の構想は、被災者の意見や意志や市町村の考えや意向を尊重して策定し、市町村、府県、国の共同事業として具体化する。必要な財源は国が保障する。最小限これらのことが保障されねばならない」と指摘しました。この指摘は、憲法が保障する基本的人権、生存権及び幸福追求権にかなう復興の本来のありようで、多くの方々から支持が得られるものと確信している。
 しかるに、政府の復興に関する方策は、というと、東北道を導入し道州制の先行モデルとする、産業の再生に特区構想を導入し農地や漁協の集約化と民間資本の導入を図る、復興基金債の導入と復興税を設ける、原発を維持推進する、などをその骨子とし、復興に対する地元の意向を無視して上からの一方的押しつけを強要するものとなっている。これでは、地元の人たちが、将来に希望や夢を託せる復興像とは云えません。
 政府の復興の青写真は、小泉内閣の頃より敷かれた構造改革の路線上に描かれたもので、国民の利益や権利を犠牲にして大企業が利益を挙げるための方策を示すものです。この青写真は大震災の復興だけを目的にしているわけでは無く、TPP への参加を促す、消費税の増税を伴う社会保障と税の一体改革を進める、企業の法人税を引き下げる、復興基金債の導入と復興税を設ける、原発を維持推進する、日米同盟を強化して軍事的、経済的連携を強めることまで目論まれているのです。渡辺さんの云う「火事場泥棒的な構造改革」を政府はこの機に進めようとしているのです。
 「復興の進め方をめぐる二つの道の対抗」とは、憲法に立脚した福祉国家を目指す道と、震災復興を好機と捉え構造改革を一気に進めようとする道との間に生じた対抗を指しています。私達は、憲法9条と25条に基づく復興こそが、地元の人たちの生活を保障し地元の産業を発展させる道であると確信し、これを実現させねばなりません。このため、復興のあり方について国民的な議論を起こし、消費税増税とTPPに反対し、原発の停止を求める大運動を起すとともに、政府に青写真の撤回を要求しましょう。全国の9条の会と連帯して、代田・九条の会もこの運動を起こしましょう。 (代田2丁目・坂本 功)「代田・九条の会News」からの転載